大手ブランドでデザイナーの交代が相次いでいるファッション業界。2月下旬から3月初旬に開かれた2025年秋冬コレクションのミラノ・ファッションウィーク(MFW)でも、大物たちの去就が大きな話題になった。
デザイナーの退任発表は、ショーが終わってから。それがここ数シーズンのファッション界の〝トレンド〟だ。
ジル・サンダーは、17年からデザインを担当した、ルーシーとルークのメイヤー夫妻によるラストショー。2人は創業者が好んだミニマルなスタイルを尊重しつつもアートの要素や現代的なシルエットを取り込む手法でブランドをファッション界の最前線に引き戻してきた。人気ブランドの人気デザイナーデュオだけに退任のうわさは駆け巡っていたが、開始時点では何のアナウンスもなく、事後の発表だった。
漆黒の装いから始まったコレクションは徐々に明るい色へと変遷。「輝く、愛の比喩」をテーマに、暗い世の中に光が差すイメージで創作した。
クリエーティブディレクターのサバト・デ・サルノが退任したグッチは、デザインスタジオが手がけたコレクション。これまでの人気アイテムを見直したルックも多かったが、ランジェリーに大ぶりのアウターを合わせるといった現代的な装いも印象的だった。
■新鋭が率いるフェラガモ、ベ…