北朝鮮による拉致被害者の家族らは15日、4月に着任したグラス駐日米大使夫妻と大使公邸で初めて面会し、問題解決への米国の協力を改めて求めた。
家族会と米大使との面会は、2022年に前任のエマニュエル氏と会って以来3年ぶり。2月に96歳で亡くなった有本恵子さんの父・明弘さんに代わり、今回は恵子さんの妹・郁子さん(64)が活動に参加した。
家族会の横田拓也代表(56)らによると、グラス氏側から「家族のみなさんに会いたい」と申し出があった。面会では、家族会側が未帰国の拉致被害者の親世代は横田めぐみさんの母早紀江さん(89)の1人しか残っておらず、「時間がない」と訴えた。
話を聞いたグラス氏は、早紀江さんや拉致被害者の曽我ひとみさん(65)らに歩み寄って抱きしめたという。曽我さんは母ミヨシさんについて「母も93歳。一日でも早く佐渡に帰ってほしい」と伝えたといい、グラス氏との面会について「温かく忘れられない時間になりました」と語った。
グラス氏は面会後、X(旧ツイッター)に自身のアカウントで「曽我さんや拉致被害者家族の話を聞き、胸が締めつけられました。トランプ大統領と米国は日本と連携し、一刻も早い拉致問題の解決を求めます」と投稿した。