今年も猛暑で稲作のできばえが注目される=富山県内、加藤裕則撮影

 農林水産省は30日、農協や卸売業者などが保有する主食用のコメの在庫が6月末時点で156万トンとなり、前年同期から41万トン減少したと発表した。比較可能な1999年以降で最も少なかった2008年の161万トンを下回り、過去最低となった。

 農水省によると、在庫が減った背景には、昨年の猛暑でコメの品質が低下し、精米時に量が減るコメが多かったことがある。コロナ禍からの回復や、訪日外国人客の増加などで、外食での消費が増えたことも影響している。

 昨年の主食用のコメの生産量は661万トンだった。国民が食べる「需要量」に対する在庫の割合は、今年6月時点で22.2%で08年の18.8%を上回った。農水省は「(在庫の割合は)例年と比べて特段低くなく、全体の需給が逼迫(ひっぱく)している状況ではない」としている。91万トンある備蓄米を放出する予定はないという。

 それでもコメの品薄感は強まっている。購入制限をするスーパーも出てきた。

 首都圏や近畿圏で約300店…

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