アナザーノート 藤田直央編集委員

 コメの高値が続いています。昨夏以降の品薄は、猛暑の影響に加え、南海トラフ地震への注意を呼びかける初の臨時情報の発表で買いだめが起きたからだとされました。秋に新米が出回れば落ち着くと農林水産省はみていましたが、そうなっていません。

 江藤拓農水相は1月下旬の記者会見で、新米を高く買う卸売業者の「集荷競争がある」とし、「健全な状態とは思っていない」と指摘。ただ、「燃料費など(生産)費用は上がっているので(コメ農家には)値上りを歓迎する声もある」とも述べ、「難しいハンドリングをしていかないといけない」と語りました。

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 「令和の米騒動」は、コメ離れが進んでもなお「主食」の動向に気をもむ世相と農政を浮き彫りにしています。そんな日本を約30年前に激しく揺るがしたウルグアイ・ラウンド(UR)と今のつながりを、今回は考えます。

■30年前もコメに揺れた日本…

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