Smiley face

 大震災に揺さぶられ、見知らぬ人と励まし合った2011年。未知の感染症に恐れを抱き、身をすくめた2020年。二つの災禍の中での暮らしを切り取った写真が、せんだいメディアテーク(仙台市青葉区)で展示されている。

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感染予防対策でビニールカーテンが設置されたレジ=2020年4月12日
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停電のためレジが使えず、電卓で精算するコンビニの店員=2011年3月11日、ぽちさん撮影

 企画した北野央さんは、市民による震災の記録を収集するコミュニティーアーカイブづくりに取り組んできた。一緒に活動する「3・11オモイデアーカイブ」の佐藤正実さんが、コロナ禍の仙台で撮りためていた写真と合わせて、計52枚を選んだ。

 「震災の記憶は薄れつつある。コロナという直近の災禍を通じ、3・11を思い起こしてもらおうと考えた」と北野さん。

 震災の後、人は近づき、ふれ合うことで心のバランスを保とうとした。逆にコロナ禍で強いられたのが、ソーシャルディスタンス。「まちなかの距離感」が、展示の題名になった。

 日常が戻った今だからこそ、私たちにとって何が大切かを考えさせられる。メディアテーク7階で開催中の企画「星空と路(みち)」の関連展示で、20日まで。(写真はせんだいメディアテーク提供。いずれも仙台市内で、2020年のものは佐藤正実さん撮影)

身を寄せ合った2011年、人を遠ざけた2020年

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一人暮らしの者たちは、友人宅に避難し昼食を食べさせてもらった=2011年3月13日、北野央さん撮影

棚は空っぽになり、行列ができた

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商品がまったく置いていないコンビニ=2011年3月24日、salaさん撮影
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マスクが完売したドラッグストア=2020年3月12日

回し読みしたマンガ雑誌、9年後は…

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コンビニの雑誌類は立ち読み禁止に=2020年4月27日

少しずつ、日常が戻ってきた

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楽天イーグルス本拠地で震災後初の公式戦=2011年4月29日、相蘇裕之さん撮影
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飲食店などを応援する「Go To Eat」の広告が掲示された仙台駅=2020年11月17日

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