大震災に揺さぶられ、見知らぬ人と励まし合った2011年。未知の感染症に恐れを抱き、身をすくめた2020年。二つの災禍の中での暮らしを切り取った写真が、せんだいメディアテーク(仙台市青葉区)で展示されている。
企画した北野央さんは、市民による震災の記録を収集するコミュニティーアーカイブづくりに取り組んできた。一緒に活動する「3・11オモイデアーカイブ」の佐藤正実さんが、コロナ禍の仙台で撮りためていた写真と合わせて、計52枚を選んだ。
「震災の記憶は薄れつつある。コロナという直近の災禍を通じ、3・11を思い起こしてもらおうと考えた」と北野さん。
震災の後、人は近づき、ふれ合うことで心のバランスを保とうとした。逆にコロナ禍で強いられたのが、ソーシャルディスタンス。「まちなかの距離感」が、展示の題名になった。
日常が戻った今だからこそ、私たちにとって何が大切かを考えさせられる。メディアテーク7階で開催中の企画「星空と路(みち)」の関連展示で、20日まで。(写真はせんだいメディアテーク提供。いずれも仙台市内で、2020年のものは佐藤正実さん撮影)
身を寄せ合った2011年、人を遠ざけた2020年
棚は空っぽになり、行列ができた
回し読みしたマンガ雑誌、9年後は…
少しずつ、日常が戻ってきた