次のローマ教皇を決める秘密選挙「コンクラーベ」が7日、バチカンのシスティーナ礼拝堂で始まりました。フランシスコ前教皇が進めた改革の継承が焦点です。70カ国から集まった133人の枢機卿たちは、世界に約14億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会のトップに誰を選ぶのか。タイムラインで伝えます。
(タイムスタンプは日本時間)
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■■■5月8日(日本時間)の動き■■■
0:45(バチカン17:45)
「エクストラ・オムネス(すべての部外者排除!)」と号令
コンクラーベの会場となるシスティーナ礼拝堂の扉が7日午後5時45分ごろ、閉められた。世界に約14億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会の次の教皇に誰がなるのか。投票に参加する枢機卿たちによる第1回投票が始まった。
礼拝堂は投票の間、外部との接触を遮断される。枢機卿たちは宿舎に携帯電話を置いていくように求められているが、礼拝堂は妨害電波で通信機器が接続できなくなっている。
枢機卿たちは入場後に一人ずつ、投票の秘密や教会法に定められた規則を守ることを宣誓。ラテン語で「エクストラ・オムネス(すべての部外者排除!)」と号令がかかり、礼拝堂の扉が閉められた。
0:00(バチカン17:00)
枢機卿たちが宣誓
コンクラーベの会場となるシスティーナ礼拝堂で7日午後5時ごろ、投票に参加する枢機卿たちが宣誓を始めた。ラテン語で投票の秘密や規則を守ることを誓った。
最初に投票を取り仕切るパロリン枢機卿が宣誓。アジア出身者として初の教皇になる可能性も取りざたされるフィリピン出身のタグレ枢機卿は3番目に宣誓した。日本の前田万葉枢機卿と菊地功枢機卿も宣誓を済ませた。
■■■5月7日(日本時間)の動き■■■
23:30(バチカン16:30)
コンクラーベ開始へ 広場で中継
次のローマ教皇を決める秘密選挙「コンクラーベ」の投票権を持つ枢機卿たちが7日午後4時半(日本時間午後11時半)ごろ、投票会場のシスティーナ礼拝堂に入場を始めた。
ローマ教皇庁(バチカン)はサンピエトロ広場などに設けられた大型スクリーンで入場前の様子を中継。緊張した面持ちで投票に臨む枢機卿らの姿が映し出された。
23:25(バチカン16:25)
枢機卿たちが投票前の祈り
次のローマ教皇を決める秘密選挙「コンクラーベ」の開始を前に、投票に参加する枢機卿たちが7日午後、バチカンの教皇宮殿で祈りを捧げた。
枢機卿たちは宮殿から行列を作ってシスティーナ礼拝堂に向かい、扉が閉まる前に投票の内容を秘密にすることを宣誓し、第1回の投票を始める。
18:48(バチカン11:48)
有力候補パロリン氏に「幸運を祈る」 レ枢機卿が声かけ
バチカンのサンピエトロ大聖堂で開かれていたコンクラーベのためのミサで、式を取り仕切ったジョバンニ・バッティスタ・レ枢機卿が、次期教皇の有力候補の一人とされるパロリン枢機卿に「幸運を祈る」と声をかける場面があった。イタリアのANSA通信が伝えた。
コンクラーベで投票権を持つのは80歳未満の枢機卿に限られるため、91歳のレ氏は投票に参加しない。ANSA通信によると、レ氏はミサの平和の祈りの際に、パロリン氏に声をかけた。
パロリン氏はフランシスコ前教皇のもとでバチカンのナンバー2にあたる国務長官を務め、今回のコンクラーベで本命候補の一人とされる。パロリン氏とレ氏は共にイタリア出身の枢機卿という共通点がある。
ANSA通信は、「単なる儀礼的なあいさつを超えた大きな抱擁と笑顔だった」と伝え、パロリン氏がレ氏の支持を得ていることをにじませた。
18:30(バチカン11:30)
大聖堂出る枢機卿の行列 1回目投票へ
次の教皇を決める秘密選挙「コンクラーベ」に向けてバチカンのサンピエトロ大聖堂で行われていたミサが7日午前11時半ごろ、終了した。枢機卿たちは行列を作って大聖堂を出た。1回目の投票は同日午後4時半からシスティーナ礼拝堂で始まる。
ミサを取り仕切ったジョバンニ・バッティスタ・レ枢機卿は投票に向けた説教で、「教会の統一を保つ強い呼びかけがある」と言及。「統一とは画一性を意味するのではなく、多様性の中にある堅固で深い交わりを意味する」と訴えた。
17:45(バチカン10:45)
ミサでレ枢機卿が説教 先々代教皇の言葉引用
バチカンのサンピエトロ大聖堂で開かれた7日午前のミサを取り仕切ったジョバンニ・バッティスタ・レ枢機卿は、投票権を持つ枢機卿らを前に「私たちは、困難で波乱に満ちた複雑な歴史の転換期に、カトリック教会と人類が必要とする教皇が選ばれるように聖霊の助けを祈り、その光と力を懇願するためにここにいる」と説いた。
コンクラーベの投票は、ミケランジェロのフレスコ画「最後の審判」で有名なシスティーナ礼拝堂で行われる。レ枢機卿は説教の中で先々代の教皇ヨハネ・パウロ2世の言葉を引用し、「ミケランジェロの(描いた)イエスの姿が、『至高の鍵』を正しい手に委ねる責任の重大さを思い起こさせてくれることを願う」と訴えた。
その上で「技術革新が著しく神を忘れがちな現代社会で、すべての人の良心と精神的な活力を呼び起こす方法を最もよく知っている教皇を与えてくれるように祈ろう」と呼びかけた。
17:15(バチカン10:15)
サンピエトロ広場に各国メディア集結
バチカンのサンピエトロ広場には7日午前から、各国のメディアが集まり始めた。コンクラーベの結果は投票会場のシスティーナ礼拝堂の屋根に設置された煙突から出る煙の色で発表される。教皇が選ばれた場合は白い煙、選ばれなかった場合は黒い煙が出る。初日は同日午後7時(日本時間8日午前2時)ごろの見通し。
サンピエトロ広場の入り口脇にあるバチカンの記者室では、各国記者の間でどの枢機卿が教皇に選ばれるか議論も起きている。ローマを拠点とするバチカン報道専門の通信社の記者カミーユ・ダルマスさんは「今日からは結果が出るまで待つ時間が長くなる」と話した。
17:00(バチカン10:00)
世界が必要とする教皇の選出を祈る
次のローマ教皇を決める秘密選挙「コンクラーベ」に向けたミサが7日午前10時(日本時間午後5時)、バチカンのサンピエトロ大聖堂で始まった。
投票に参加する133人の枢機卿たちは、世界にいる約14億人の信者を代表してローマ・カトリック教会のトップを選ぶ責任を背負う。ミサはジョバンニ・バッティスタ・レ枢機卿が取り仕切る。
ミサの名称はラテン語で「プロ・エリジェンド・ロマーノ・ポンティフィチェ」(ローマ教皇を選ぶために)。同日午後から始まる投票で世界が必要とする教皇が選ばれるように祈る。
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