風を受けてはためくイラン国旗=テヘラン

 イランで米国による経済制裁の影響により国外から薬が入手できないため、最近約6年間で約1,100人のサラセミア患者が命を落としたと、複数の地元メディアが報じた。今月8日が「世界サラセミア・デー」に当たり、この問題に関心が高まったとみられる。

 サラセミアは遺伝性の血液疾患で地中海貧血とも呼ばれ、欧州や中東で患者が多い。赤血球に含まれて酸素を運ぶたんぱく質「ヘモグロビン」に異常が出て、貧血や臓器不全などが重症化することがある。頻繁な輸血で体内に蓄積した鉄分を除去する薬の投与が治療の一つとなっている。

 米国はトランプ政権だった2018年、イランが核問題で米英独仏中ロの6カ国と結んでいた合意から離脱。対イラン制裁を再発動させた。

 イランの大衆紙ハムシャフリ…

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