サンゴの群生に、乱舞する色とりどりの魚たち。海の中は日本からはるか遠い熱帯のようだ。
国内外の海に潜り続けてきた戸川義啓(よしひろ)さん(47)が、黒潮の恵みを受けた海に魅せられて20年がたった。
兵庫県のダイビングショップを辞め、2003年春に四国へ移住。ダイビングスポットとして全国的に有名な四国「南西部」ではなく、あえて「南東部」で海の魅力を伝え続けてきた。
徳島との県境にある高知県東洋町甲浦(かんのうら)は、01年までは大阪との間でフェリーが行き来した。航路が途絶えた現在は、小さな漁船が時折行き交うだけ。この海が戸川さんの「ホーム」だ。
沖合の島々に守られ湾内は波が小さくて穏やか。一方で黒潮の支流が流れ込むため、濁りが少なく一年を通して高い透明度が自慢だ。
「信じられないくらい、めっちゃきれいな海なんです」
人生で楽しいのは「ない」の克服
豊かな生物環境に魅了された…