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シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集いで献花する元抑留者ら=2025年8月23日午後2時20分、東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑、北野隆一撮影
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 第2次世界大戦後、旧ソ連によってシベリアやモンゴルに抑留された犠牲者らを追悼する集いが23日、東京都千代田区の国立千鳥ケ淵戦没者墓苑であり、元抑留者や遺族ら約180人が参列した。スターリンが日本軍捕虜を移送するよう秘密指令を出したとされる80年前の8月23日を記憶しようと催し、今年で23回目。

 主催者を代表して、あいさつした元抑留者の西倉勝さん(100)=相模原市=は「飢えと寒さと強制労働。なぜこんなひどいことが起きたのか。実態解明、検証が大切です」と強調。「ウクライナとガザでの即時停戦」を求め、「一方的な軍事侵攻、捕虜・人質、いずれも80年前に私たちが体験したことでした」と振り返った。

 父の小嶋昇蔵さんを亡くした遺族の小嶋雄二さん(82)=東京都渋谷区=は「父が戦地から送ってきた軍事郵便はがきを、今もときおり見ながら、父のにおいを感じています。父が1946年に死亡したとの旧ソ連の資料が届いたのは2014年でした。戦後80年たっても戦後処理は終わっていません」と語った。

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