シャープは14日、将来的に液晶パネルの生産から撤退する考えを明らかにした。テレビ向けを中心とする大型の液晶パネルをつくる子会社「堺ディスプレイプロダクト」(SDP、堺市)の堺工場は、今年9月までに生産を停止する。亀山工場(三重県亀山市)などで手がける中小型パネルの生産も能力を縮小し、人員を削減。将来的な生産の停止を検討している。
呉柏勲社長らがオンラインで会見を開き、明らかにした。液晶パネルの開発は続けるとしている。
液晶パネル事業の不振で、シャープは2年連続の純損失に陥り、今のままでの生産の継続は難しいと判断した。堺工場の跡地はAI(人工知能)向けのデータセンターとしての活用を模索する。
液晶パネル部品を中心とする「ディスプレイデバイス」事業は、シャープの売上高のなかで3割近くを占める最大の事業。ただ、巨額の設備投資を継続できる資金力がものを言う業界で、シャープは「長期間、技術や工場への投資が十分に行えず、徐々に競争力が低下していった」(呉社長)という。
液晶事業の赤字でほかの事業…