在英のシリア反体制派NGO「シリア人権監視団」(SOHR)は29日、反体制派がシリア北部にある第2の都市アレッポ市内に進攻したと発表した。アレッポは2016年にロシアやイランの支援を受けたアサド政権軍が奪還した反体制派の拠点で、それ以来8年ぶりの反体制派の進攻となった。
SOHRによると、北西部イドリブを拠点とする過激派組織「シャーム解放委員会」(HTS、旧ヌスラ戦線)などの反体制派は27日に政権支配地域への進軍を開始。29日、イドリブから約50キロ離れたアレッポ県の中心都市アレッポ市内に進攻したという。
シリアでは2011年3月、中東の民主化運動「アラブの春」が波及し、アサド政権への抗議デモが全土に拡大。政権側はデモを徹底的に弾圧し、反体制派や混乱に乗じて台頭した「イスラム国」(IS)などの過激派勢力との泥沼の内戦に陥った。人口約2200万人のうち1300万人以上が家を追われて国内外に逃れ、約50万人が死亡したとされ、「今世紀最悪の人道危機」と呼ばれた。
かつて経済の中心地だったアレッポは内戦後、反体制派が拠点としたが、内戦に介入したロシアやイラン、レバノンを拠点とする親イランのイスラム教シーア派組織ヒズボラの支援を受けた政権軍が16年に奪還。内戦での政権軍の軍事的優位を確立する転換点となり、反体制派はイドリブ周辺などに追い詰められていた。反体制派と政権軍の大規模な衝突は2020年以来となった。
ロシアとイランの反応は
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SOHRによると、今回の急…