スナック経営の女性を殺害し、山林に遺体を遺棄したとして、殺人や死体遺棄などの罪に問われた北海道足寄町の無職志渡典吉被告（59）に対する裁判員裁判の判決が13日、釧路地裁であった。井草健太裁判長は「死者の尊厳をまったく顧みず、保身のみを考えた身勝手な犯行」として懲役19年（求刑懲役22年）を言い渡した。
判決によると、志渡被告は昨年11月、同町のスナック経営延本真弓さん（当時66）宅の2階寝室で、延本さんの頭をハンマーで数十回殴ったり、首を手で絞めたりして殺害。遺体を町内の山林に車で運び、遺棄した。盗んだ延本さんのクレジットカードなども使用した。
弁護側の「延本さんがハンマーを持ち出し、犯行を誘因させた」との主張に対し、判決は「被告が寝室に勝手に立ち入り、就寝中の被害者に執拗（しつよう）に車などを貸すよう求めたことが原因」と指摘。「有利に斟酌（しんしゃく）する余地は乏しい」と退けた。
