「金融ブラックOK」「借りずに資金調達」「即日現金化」――。そんな文言を掲げる業者がネット上に次々と表示される。金券の「先払い買い取り」と呼ばれる取引だ。金融庁も規制をかいくぐって現れる昨今の新手法の一つとみて、注意喚起に乗り出した。
大阪府に住む20代の男性会社員は、2年ほど前から先払い買い取りを使い始めた。学生時代に就職活動で各地を行き来した交通費や、一人暮らしにかかる生活費で借金を余儀なくされ、債務整理を経験したという。一般の金融機関からの借り入れは難しく、金策に困った末の選択だった。
業者のサイトからメッセージアプリに誘導され、やり取りが始まった。身分証や給与明細の写真を送ったほか、勤務先の詳細、他社からの借り入れ状況など、約30の質問に答えた。
金券の「先払い」から膨らんだ「金利」
すると、業者は収入印紙と百貨店の共通商品券を例に挙げ、こう尋ねてきたという。
「買い取り希望商品をお教え…