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三回表、筒香に先制適時打を打たれ、マウンドに集まるソフトバンクの選手と小久保監督(右から2人目)=有元愛美子撮影
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 10月30日の日本シリーズ第4戦のこと。ソフトバンクは2連敗を喫し、対戦成績は五分となった。

 試合後、六回途中1失点で敗戦投手となった先発の石川柊太を報道陣が囲んだときのことだった。

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 「投げ切れていれば結果は違った」

 「ルーキーではないのでプレッシャーとかは……」

 石川は四回にオースティンに浴びたソロ本塁打を苦々しく振り返った。

 すると、先に取材対応を終え、帰路につく小久保裕紀監督が満面の笑みで近づいてきた。

 「ナイスピッチング!」

 その場の雰囲気がぱっと明るくなるような、弾んだ大きな声だった。

 日本シリーズの連勝記録が「14」で止まったのは29日の第3戦。試合後、監督は「短期決戦は敗因を振り返る意味がない」と言った。

 第4戦後の石川に対する言動を見ても、一貫した信念が伝わってきた。

 中継ぎでも投げられる石川は、今後の展開によっては、再び登板する可能性がある。

 「次へ準備するところは始まっている」。石川の声には力が戻っていた。

 第5戦も落としてチームは追い込まれたが、この後も監督の立ち居振る舞いに注目したい。(平田瑛美)

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