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 大衆魚として知られるスルメイカの高騰に拍車がかかっている。市場での取引価格は10年ほど前の3倍近くに上がり、天然マダイを追い抜いた。もはや高級魚となったイカの異変を受け、見た目や食感を再現した「そっくり食材」も生まれている。

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青森産のスルメイカ。価格が高騰し、税込みで1杯500円を超えていた=2025年3月14日午後1時28分、東京都品川区、山田暢史撮影

 東京都品川区の鮮魚店「魚河岸 中與商店武蔵小山店」の担当者は「スルメイカは高すぎて、今は仕入れていません」と話す。3月中旬に店に並んだ青森産のスルメイカ(解凍)の価格は数年前の5倍近い、1杯518円(税込み)だった。生のスルメイカは1杯で1千円を超え、高級イカの代表「ヤリイカ」よりも高い。

10年前は1キロ483円→今は1417円

 焼きイカや天ぷら、煮物として人気の食材で、イワシなどと並び「大衆魚」の代表格だったが、鮮魚店の担当者は「スルメイカはもう大衆魚とは言えない」と断言する。

 かつて年間数十万トンあった…

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