タイとカンボジアの大規模な軍事衝突を巡り、国連安全保障理事会は25日に非公開の緊急会合を開いた。AP通信によると、カンボジアの国連大使は会合後、報道陣に「無条件の即時停戦と紛争の平和的解決を求めた」と述べた。会合では、両国に対して「最大限の自制と外交的解決」を求める声が出たという。
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カンボジア国連代表部の声明によると、チア・ケオ国連大使は会合の中で、タイ軍は殺傷力が高く非人道的兵器とされるクラスター爆弾を使用したなどとし、非難した。国際司法裁判所(ICJ)が国境にある世界遺産のプレアビヒア寺院や周辺をカンボジア領と認定していることを挙げ、「タイは国際的に認められた国境を尊重しなければならない」と述べた。
一方、タイ政府も会合の内容を発表した。カンボジア側がタイ領内の病院などの公共施設や民間インフラを攻撃したとして「可能な限りの強い言葉で非難する」と強調。カンボジアに対して、「全ての戦闘と侵略行為を直ちに止め、誠意を持って対話を再開するよう強く促す」と求めたという。
両国政府によると、一連の戦闘を受けた避難者数は、タイ側で約13万人、カンボジア側も3万7千人以上となっている。
民間人に犠牲、死者少なくとも32人に
タイ軍は25日、カンボジア…