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ソフトバンク・小久保裕紀監督(手前)と、日本ハム・新庄剛志監督(前から2人目)=有元愛美子撮影

 いよいよ山場を迎えたプロ野球レギュラーシーズン。セ・リーグは阪神の優勝が秒読み段階に入っているが、パ・リーグは2チームによる激戦が続く。連覇をめざすソフトバンクと、1ゲーム差で追う日本ハムの優勝争いの行方を探った。

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 首位ソフトバンクは8月に今宮健太と栗原陵矢がけがから復帰し、今月には柳田悠岐や正木智也も復帰見込み。戦力が整いつつある。

 5月末に腰の手術から復帰した近藤健介、リーグ2位の20本塁打と復調傾向にある山川穂高、8月の月間打率3割8分5厘の牧原大成に加え、今季、飛躍した柳町達、野村勇らもいて、打線は強力だ。気がかりなのは8月末に左脇腹を痛めた近藤。再び離脱となれば影響は大きい。

 チーム防御率2・41は日本ハムと並びリーグトップ。先発に限れば、2・43で日本ハムの2・52を上回る。すでに有原航平、モイネロ、大関友久、上沢直之が2桁勝利に到達。攻撃力と安定した投手力を生かし、得意の「先行逃げ切り」に持ち込みたい。

 9年ぶりのリーグ制覇を狙う日本ハムは打線の奮起が鍵を握る。

 リーグトップ28本塁打のレイエスを筆頭にチーム本塁打数は12球団で唯一3桁の106本。両翼が狭い本拠の「地の利」を生かした一発攻勢は心強い。

 とはいえ、8月終盤の6試合は計11得点で打線のつながりに欠けた。昨季の2位躍進の原動力となった万波中正、野村佑希、清宮幸太郎の調子はいま一つ。特に万波はリーグ3位の19本塁打を放っているが、得点圏打率は昨季の2割4分8厘を大きく下回る1割9分5厘。奮起が欠かせない。

 投手陣はエース伊藤大海が12勝、加藤貴之と北山亘基が8勝。チーム完投数は12球団断トツの21で、こちらも先発陣は安定している。不安が残るのは中継ぎ。開幕投手の金村をセットアッパーに回し、ブルペン強化を図っている。

 今後、直接対決は3試合だけ。お互いに、その他の球団との対戦でどれだけ取りこぼさないかがカギを握る。ソフトバンクは3位オリックスと11試合、日本ハムは最下位ロッテと9試合を残している。(記録は1日現在)

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