今年5月、福岡市中央区の繁華街・天神地区で、タクシーが歩行者に突っこみ5人をはねた事故で、運転手の男性(74)は乗務開始から約17時間後に事故を起こしていたことが、タクシー会社が国土交通省九州運輸局に提出した事故報告書でわかった。男性は高齢などを理由に事故直後に退職。福岡県警中央署は20日、男性を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで書類送検した。
人手不足 17時間219キロ走った末に
タクシーを運行した新協第一交通(福岡市東区)が提出した事故報告書などによると、男性は今年5月25日午前3時20分に出社し、25分後に出庫。およそ博多―鹿児島中央間の直線距離にあたる219キロを走行した。
そして午後8時40分ごろ、福岡市中央区今泉1丁目で客2人を乗せ、一方通行の狭い道を走り始めた。約200メートル進んだが、前に停車していた別のタクシーの発見が遅れた。慌ててブレーキを踏もうとしたが、アクセルと踏み間違えたという。男性は「減速しないことでパニックになり、とっさに右にハンドルを切って前の車を回避しようとした」と会社側に話したという。歩行者5人をはね、乗客2人を合わせ計7人に重軽傷を負わせた。
未明から夜まで勤務 「法令上問題なし」
親会社の第一交通産業(北九…