北海道東部にある釧路湿原、阿寒摩周、知床の三つの国立公園を結ぶ「北海道東トレイル」が10月に開通する。地元住民や14市町村、道、環境省などが連携し、総距離約410キロの「歩く旅の道」を整備、運営する。欧米で人気で、国内でも各地で整備が進むロングトレイル。なかでも自然の雄大さは随一とあって、国内外からの集客に期待が膨らむ。
ロングトレイルと言われる歩く旅を楽しむ長い道は、海外では米国東部のアパラチアン・トレイル(3536キロ)などが有名だ。国内では、長野・新潟県境の「信越トレイル」(110キロ)、東日本大震災の復興支援の一環として東北地方に整備された「みちのく潮風トレイル」(1025キロ)などが知られている。
新たに開通する北海道東トレイルのルートは、太平洋に面する釧路市と、知床半島東側の羅臼町を発着点に、道東を南北に縦断。途中で阿寒湖方面に分岐する道もある。
この夏、乗用車と徒歩でルートを巡った。
カーナビが選ばない道で出会う動物
釧路市から北上すると、まず出てくるのが釧路湿原。日本最大の湿原で、国の特別天然記念物タンチョウやエゾシカ、キタキツネなど多くの生き物がすむ。カーナビゲーションがルートに選ばないような未舗装の林道や山道も通り、あちこちで動物に出会う。
その先の標茶(しべちゃ)町…