フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の大株主の米ダルトン・インベストメンツが提案した取締役候補のひとりで、元ジャパンディスプレイ(JDI)社長の菊岡稔氏が朝日新聞の取材に応じた。ダルトンの求める不動産事業の切り離しについて、「ある程度残した方がよければ、柔軟に考えたほうがいい」と述べ、温度差を見せた。

インタビューに応じる元JDI社長の菊岡稔氏=2025年4月24日、東京都中央区、村井七緒子撮影

 不動産事業はFMHの稼ぎ頭で、本業のもうけを示す営業利益では「都市開発・観光」が5割強を占める(2024年3月期)。ダルトンはフジの一連の問題を受けてFMHに送った提案書で、不動産事業の切り離しを求めている。

 これに対し菊岡氏は「短期的な利益目的でキャッシュアウトして株主に全て配当するのではなく、メディア事業への投資に資源を配分すべきだ。テレビ事業の立ち直りや、新たなコンテンツ事業の成長につなげる必要がある」との考えを示した。会社の成長のために必要なら残すことも検討するべきだとした。こうした考えは、ダルトン側にも伝えているという。

 FMHの取締役候補をめぐっ…

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