6月の政府の総合科学技術・イノベーション会議で核融合炉について説明を受ける岸田文雄首相。
2023年7月3日 16時52分(日本時間)
政府は次世代エネルギー源として期待される国産核融合を推進する全国的な体制を整える。 小型核融合炉など先端技術の開発を支援する産官学の協議体を今年度末までに設立する。 海外で核融合炉への注目が急速に高まっていることから、政府は日本の官民でこの分野への投資を増やすことを目指している。
原子核が分裂するときに発生するエネルギーを利用する核分裂とは異なり、核融合は重水素原子などの原子核が結合するときに発生する膨大なエネルギーを利用します。 高放射性廃棄物や二酸化炭素を出さないことから「夢のエネルギー」とも呼ばれています。
核融合を収益性の高いものにするためには、原子炉のサイズを縮小し、コンポーネントの耐久性を高める必要があります。 政府は、地元の工場や新興企業など、さまざまな技術を持つ民間企業をこの分野に誘致することで、技術を推進することを目指している。
政府はまた、革新的な技術革新を目指すムーンショット研究開発プログラムを活用し、核融合発電の早期商業化を促進する。
政府が4月に策定した核融合開発推進国家戦略では2050年頃の核融合発電の国内実現を掲げているが、政府は諸外国に後れを取らないよう目標を前倒しする方針だ。
日本企業は、日米欧等の共同実験としてフランスで建設中の国際熱核融合実験炉に主要部品を納入するなど、この分野で高い技術力を有している。 政府は国内の技術力を結集してサプライチェーンを構築するとともに、部品などの海外市場への輸出拡大を目指す。