バイデン前米政権で国防次官補を務めたイーライ・ラトナー氏=米シンクタンク「マラソン・イニシアチブ」のウェブサイトから

 バイデン前米政権の対中政策をめぐって中心的な役割を果たしたイーライ・ラトナー前米国防次官補(インド太平洋安全保障担当)が朝日新聞の取材に応じた。トランプ米政権が対中姿勢を軟化させているとの見方を示し、「米国の力を後退させた」と指摘。トランプ政権が日本など同盟国・友好国に高関税措置などで圧力を強めていることについては「長期的な悪影響を及ぼしうる」と述べ、懸念を示した。

 ラトナー氏は中国問題の専門家で、今年1月までインド太平洋地域の安全保障を担当する国防次官補を務めた。オンライン取材に応じたラトナー氏は、経済・軍事的に台頭する中国について「既存の国際秩序を弱体化させ、中国を国際政治の中心にするような代替的な規範を構築しようとしてきた」と指摘。「インド太平洋地域を支配し、主要な水路を掌握しようとする戦略を進めていることは明らかだ」と危機感を示した。

 バイデン前政権は中国やロシ…

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