オランダ・ハーグの国際刑事裁判所=2024年3月26日、森岡みづほ撮影

 米トランプ政権が国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の裁判官らに対し、米国内の資産凍結や渡航制限などの制裁を続けている問題で、人権侵害をなくそうと活動する日本のNGOや弁護士が12日、オンラインで会見した。米国に抗議するとともに、ICC締約国である日本政府に積極的な介入を求めた。

 トランプ政権は2~8月、検察官や裁判官の計9人を制裁対象とした。パレスチナ自治区ガザに攻撃を続けるイスラエルのネタニヤフ首相らに対し、戦争犯罪や非人道的な行為などの容疑で逮捕状を出したことや、アフガニスタンでの駐留米軍人の捜査を認めたことなどを理由に挙げている。

 会見で、NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗さんはICCについて「重大な国際犯罪者を裁き、正義をもたらす最後のとりで」としたうえで、現状を「存続の危機」と表現。「日本政府はもちろん、すべての締約国がICCを守り抜くという強い意志と行動が必要だ」と訴えた。

 愛知県弁護士会の上松健太郎弁護士は、「日常生活にとって全く関係ない、海の向こうの大きな話ではない」と語った。「自分が信じて毎日そのために働いている司法、法の支配という価値がすごく軽く扱われている」として、今後も弁護士仲間とともに声を上げていく決意を示した。

 トランプ大統領は第1次政権…

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