米ホワイトハウスで7月31日、演説するトランプ大統領=ロイター

 トランプ米大統領は7月31日、米国への輸入品に対し国・地域別に設定した「相互関税」の税率を改定する大統領令に署名した。日本の税率は10%から15%に上がる。混乱を呼んだのは、発動日が大統領令の発令から「7日後」とされたことだ。世界中がトランプ氏が言い続けてきた「8月1日発動」を想定してきたが、1週間も後ろ倒しにされた背景は何か。

  • トランプ氏「相互関税」大統領令に署名 7日から発動、日本は15%

 トランプ氏の大統領令の署名に先立ち、ホワイトハウスで記者会見したレビット報道官は新たな相互関税の税率が「8月1日に発効する」と明言した。この発言を根拠に米メディアも相互関税の8月1日発動を次々と速報した。

 そもそも新たな相互関税の「8月1日発動」を世界に向けて発信し続けてきたのは他ならぬトランプ氏だ。日本や欧州連合(EU)、東南アジア諸国などは8月1日を事実上の関税交渉の期限と強烈に意識し、なんとかその日に間に合わせようと、米側との交渉の妥結に雪崩を打った。

 だが、レビット氏の会見から間を置かずにホワイトハウスが公開した大統領令は、新税率の発効を発令から「7日後」と明記。予定通り8月1日に発動されたのは、相互関税とは根拠が異なる関税をかけられるカナダだけだった。

英国の10%からシリアの41%まで…

 背景にあるのが、米国への輸入品にかかる税金などが適切に申告されているかなどをチェックする税関当局への配慮だ。

 「米国税関当局は、世界中で…

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