トランプ次期米大統領は22日、エルブリッジ・コルビー氏を国防次官(政策担当)に起用すると発表した。コルビー氏はかねて中国の軍事的台頭に警鐘を鳴らし、米国が欧州よりも中国やアジアへの対応を優先すべきだと訴えてきた。日本が防衛費を国内総生産(GDP)比で3%支払うべきだとの主張もしており、日本への圧力が強まる可能性もある。
コルビー氏は第1次トランプ政権で国防次官補代理を務め、中国をロシアとともに「長期的な戦略的競合相手」と位置づけた、2018年の国家防衛戦略の策定も担った。第2次政権入りの可能性が注目されていた。トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で「米国第一主義の外交・防衛政策の擁護者として高く評価されている」と紹介した。
コルビー氏は今年2月、朝日新聞の取材に応じ、「米国や台湾、日本は、アジアにおける軍事バランスの問題により焦点をあてるべきだ」と訴えた。日本や台湾の自助努力も必要だとの考え方で、「日本はあらゆる分野において中国の巨大な脅威に直面している」とし、「日本はGDP比3%の防衛費を支出すべきだ」と語っていた。日本は27年度の防衛費をGDP比2%に大幅増額する方針を決めているが、コルビー氏の起用で、日本のさらなる防衛費増額に向けた圧力が高まる可能性がある。
5月の英紙フィナンシャル・…