2024年10月、元米通商製造業政策局長のピーター・ナバロ氏=ロイター

 トランプ米次期大統領は4日、通商と製造業担当の上級顧問にピーター・ナバロ氏を起用すると表明した。前政権で大統領補佐官をつとめたナバロ氏は「対中強硬派」として知られており、トランプ氏肝いりの通商政策で影響力を持つとみられる。

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 ナバロ氏は前政権で、国際協調を重視する穏健派が政権を去るなか、中国への高関税措置や北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉などにかかわった。トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」での投稿で「『米国製品を買う』『米国民を雇う』という私の二つの神聖なルールの遂行において、前政権でピーターほど効果的で頑強だった人物はいない」と訴えた。

 ナバロ氏は2021年1月の米連邦議会襲撃事件に関する議会証言を拒否したとして、議会侮辱罪で有罪判決を受け収監されていた。

 元カリフォルニア大アーバイン校教授のナバロ氏は「中国による死」と題するドキュメンタリー映画を作るなど、中国への強硬姿勢を貫いている。

 ナバロ氏は前政権への参加前、朝日新聞の取材に「中国は輸出品に違法に補助金を払い、貿易相手国の知的財産を盗み、為替レートを操作している。ある国がズルをするなら、我々は製造業を守るために関税をかける。それは保護主義ではなく、防衛だ」と話していた。

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