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米ワシントンで2025年3月7日、トランプ政権による、医療研究を支援する連邦機関への予算削減と人員整理に対し、国旗を逆さまに掲げて抗議する人たち=ロイター
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デイビッド・フレンチ

 トランプ大統領はアメリカに損害を与えている。その修復には1世代、もしくはそれ以上かかりかねない。次の選挙ではトランプ氏が破壊しているものを修復することはできない。その次の選挙でも。

 大統領に就任後の1カ月半でトランプ氏が米国に与えたダメージの深刻さを理解するには、冷戦との比較が役立つ。共和党と民主党は旧ソ連との向き合い方において、しばしば鋭い対立を見せた。ベトナムをめぐる深い意見の相違も、10年以上にわたって、党内及び両党間での政治の議論を活発にした。レーガン大統領時代には、強力な大陸間弾道ミサイル「MX」や欧州への中距離ミサイルの配備をめぐって激しい論争が繰り広げられた。

 こうした違いも大事だったが、もっと大切な多くの点では合意があった。

 両党はともに北大西洋条約機構(NATO)が必要という認識があり、ソ連を深刻な国家安全保障上の脅威と見ていた。どちらの党も多かれ少なかれ、数十年にわたって、ソ連の圧制を食い止めようと封じ込め政策をとってきた。

 投票所に行ったアメリカ人が、親NATOの候補者か、ソ連とワルシャワ条約機構に同調する候補者かのどちらかを選ぶようなことは一度もなかった。こんな考え自体が幻想的だった。アメリカの選挙が国家安全保障戦略を変えることはあっても、私たちの基盤となる同盟関係や根本的なアイデンティティーを変えることもなかった。

 今までは。

 2月28日にホワイトハウス…

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