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米ニューヨークのトランプタワーで2016年11月、記者団に話すキース・ケロッグ氏=AP

 米国のトランプ次期大統領は27日、1期目にペンス副大統領(当時)の国家安全保障担当の顧問などを務めた陸軍退役中将のキース・ケロッグ氏(80)を、ウクライナ・ロシア担当特使に指名すると発表した。トランプ氏が重視する戦争の早期終結に向け、取り組みを主導するキーマンになりそうだ。

 ロイター通信によると、ケロッグ氏は大統領選中、ウクライナに和平協議に応じなければ米国の武器提供を止めると圧力をかけ、ロシア側にも交渉を拒否すればウクライナへの米国の支援を強化すると警告する計画を共同で策定し、トランプ氏に提示している。トランプ氏は好意的な反応を示したという。

 この計画は、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を長期間先送りにする約束と引き換えにロシアに和平交渉を迫り、交渉中は現在の戦線に基づいて戦闘を停止するとする。

 ただ、ロシアが現在違法に支配するウクライナの領土は全土の2割に及び、計画通り進めば占領された状態を事実上固定する結果になりかねない。ウクライナはロシアに占領された領土を正式に譲る必要はないが、近い将来ウクライナが全領土の実効支配を取り戻すこともないという認識を前提としているとみられ、ウクライナ側の反発が予想される。

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