米フロリダ州パームビーチ郡の保安官は15日、同郡ウェストパームビーチのゴルフ場でプレーしていたトランプ前大統領を銃撃しようとした疑いで、男を拘束したと発表した。トランプ氏にけがはなく「無事だ」という。動機は不明だが、米CNNによると、米連邦捜査局(FBI)は男がトランプ氏の暗殺を企てていた可能性があるとして捜査を進めている。
- 発砲の90分以上前に容疑者を不審人物と把握 トランプ氏銃撃事件
捜査当局によると、同日午後1時半ごろ、米大統領警護隊(シークレットサービス)から、男に向けて発砲したとの報告があった。トランプ氏より1ホール先に待機していた隊員がフェンスからライフルの銃身が突き出ていたのを確認し、大統領を保護する目的で茂みにいた男に向け発砲したという。男とトランプ氏の距離は300~500ヤード(約274~457メートル)だったという。
男は車に乗って逃走。逃走車の車種とナンバープレートが写真に撮られていたこともあり、間もなく拘束された。男がいた現場からは殺傷能力の高いライフルやスコープ、リュックなどが見つかった。
トランプ氏の陣営は「トランプ氏は無事だ」との声明を出した。陣営が配信している寄付金を募るメールでも「私の近くで発砲があったが、私は無事で元気だ」とのトランプ氏のコメントを記載した。
ホワイトハウスは同日、バイデン大統領とハリス副大統領が事件について報告を受けたと発表。トランプ氏が無事で、2人とも安心したという。
トランプ氏は7月13日にペンシルベニア州バトラーであった選挙集会の演説中に銃撃された。壇上から150メートルほどしか離れていない建物の屋上から発砲が8回以上あり、トランプ氏は右耳を負傷。ほかに集会の参加者1人が死亡、2人が負傷した。(ニューヨーク=遠田寛生)