大統領選の行方に、日本企業も目をこらした。気をもんだ企業の一つが日本製鉄だ。
約2兆円を投じて買収予定の米USスチールは、本社や製鉄所が勝敗のカギを握る激戦州の一つ、ペンシルベニアにある。買収反対を掲げる全米鉄鋼労働組合(USW)の本部もあり、労働者票が意識されやすい土地だ。
勝利したトランプ氏は「買収を阻止する」と訴え続けた。対するバイデン政権は8月から9月にかけて、日鉄の買収計画に「安全保障上の懸念」を理由に「待った」をかけようと動き、結局、審査は選挙後に先送りになった。
買収の年内完了を目指す日鉄…