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ロサンゼルスで12日、連邦政府による移民摘発に抗議する人々=ロイター

 米西部カリフォルニア州ロサンゼルスで続く移民摘発への抗議デモをめぐり、トランプ政権と州政府のさや当てが繰り広げられている。トランプ大統領のカリフォルニア州への攻撃は州兵の派兵にとどまらず、同州の環境規制にまで及んだ。

 トランプ氏は、連邦政府の移民税関捜査局(ICE)による移民の一斉摘発への抗議デモに対応するためとして、計約4千人の州兵と約700人の海兵隊員をロサンゼルスに派遣。一方、カリフォルニア州のニューサム知事は、混乱を生むだけで「不要だ」とし、派兵には州知事の承認が必要だとして提訴していた。

 米連邦地裁は12日、トランプ氏による州兵派遣は違憲だとして、一時的に差し止める命令を出した。地裁判決は、州兵派遣は大統領の権限を越えているとし、州知事に指揮権を返還しなければならないとした。

 ただ、トランプ政権側の申し立てを受けた同日の上訴審では、この命令をすぐに停止。結果的に州兵が大統領の指揮下で派遣されている状況は変わらないまま、訴訟が続くことになった。

 トランプ政権の攻撃の勢いは強まるばかりだ。ノーム国土安全保障省長官は12日、抗議デモが続くロサンゼルスで会見し、「捜査当局や軍はロサンゼルスでの活動を継続し、強化していく。去ることはない」と述べた。ロサンゼルスを「解放」するために移民の摘発を継続し、断固とした態度で臨むと強調した。

 ノーム氏によると、連邦当局…

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