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米トランプ政権の閣僚との会談後、会見をする武藤容治経済産業相=2025年3月11日午前8時33分、米ワシントン、多鹿ちなみ撮影

 訪米中の武藤容治経済産業相は10日、トランプ米政権の経済閣僚ら3人と会談し、関税政策の対象から日本を外すよう要請した。ただ、米側は関税の正当性を述べたといい、武藤氏は会談後、日本が関税の適用除外となる言質は「取れていない」と認めた。重要な対米輸出品である自動車などに、高関税がかかるおそれが高まっている。

  • 二転三転の「トランプ関税」まだ序の口 4月2日に迎える天王山

 武藤氏はこの日、米首都ワシントンで、通商政策を担うグリア米通商代表部(USTR)代表、ラトニック商務長官、ハセット国家経済会議(NEC)委員長らと相次いで会談した。日本企業による対米投資が5年連続1位であることや、製造業で雇用を創出していることなど、日本による米国経済への貢献を改めてアピールし、「日本は関税の対象になるべきではない」と直接申し入れた。会談を通じて「これまでの米国における日本の貢献について、非常に重く受けとめていただいた」(武藤氏)といい、米側からも一定の評価を得たという。

 トランプ大統領は、米国が輸入する鉄鋼・アルミニウムに25%の関税を今月12日にかけるとしており、ぎりぎりのタイミングでの閣僚級会談となった。だが、武藤氏は「明日から日本を除外するという話にはなっていない」と述べ、鉄鋼・アルミ関税を課される可能性は飛躍的に高まった。

取引に持ち込めるほどの材料がない

 トランプ氏は、4月2日には輸入車に25%程度をかける関税の詳細を公表するとしている。対米輸出額の3割を占める自動車に高関税がかかれば、自動車産業のみならず日本経済への甚大な悪影響が及ぶのは必至だ。

 一方、米側は会談で「製造業…

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