ベルリンのドイツ連邦議会で2025年6月24日、演説するメルツ首相。独DPA通信提供=AP

 ドイツ財務省は24日、2029年に国内総生産(GDP)に対する防衛費の割合を3.5%に引き上げる計画を発表した。24年は約2%で、大幅な引き上げとなる。メルツ首相は同日の演説で「ロシアがウクライナを越えて戦争を続けることを心配する必要がある」と述べ、ロシアの欧州への脅威に対抗する必要性を強調した。

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 北大西洋条約機構(NATO)は24~25日のオランダ・ハーグでの首脳会議で、GDP比2%以上としていた従来の防衛費の目標を3.5%に引き上げ、さらに防衛関連インフラなどへの支出に1.5%を充てる形で計5%とする新目標を正式に決める見通し。

 独財務省が24日発表した予算案によると、25年の防衛費はGDP比2.4%の見通し。29年にかけて段階的に引き上げる。インフラ整備などの基金も立ち上げる予定で、NATOの目標に沿う形で防衛力強化をはかるとみられる。ドイツ連邦軍の兵士(昨年末時点で約18万1千人)も増やす方針で、今年、1万人を増員するための財源も確保した。

 メルツ氏は演説で、NATO…

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