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中学生たちと新曲を初演したレインハルト・ジーハファーさん(手前左)=2024年10月19日、潟上市、アキテッジ提供

 ドイツを代表する指揮者のレインハルト・ジーハファーさん(66)が10月、秋田県潟上市を訪れ、地元の中学の吹奏楽部員たちと同じ舞台に立った。秋田とドイツの友好を願い、この日のために自らが作曲した新曲のタクトを振った。

 ジーハファーさんは、ドイツの国立歌劇場の芸術監督を務める。これまでに、ゲバントハウス管弦楽団など数々の名門オーケストラと共演。ピアニストや作曲家としても活動している。

 10月中旬、「第3回秋田・潟上国際音楽祭2024」に出演するために来日した。市や音楽祭実行委員会が中学生との合同演奏会を企画し、作品を委嘱した。

 ジーハファーさんが書き下ろした組曲「Blue Moon」(ブルームーン)は、全5楽章で約20分の曲。「世界のどんな人も、どこにいても等しく慈しむことができる月を友好の象徴として描いた作品。たった一つしかない月は変わらぬ美しさで世界を見守り、音楽も同じように社会を支える存在との思いを込めた」とコメントした。

 19日の演奏会には約300人が集まり、市立羽城、天王南、天王の3中学の吹奏楽部員55人が参加。本番の直前には、ジーハファーさんが各校を巡回し、「大きく鳴らすのではなく、遠くを意識してほしい」などと直接指導もした。

 トロンボーンを吹いた天王中吹奏楽部長の雲雀(ひばり)莉咲(りさ)さん(2年)は「曲の陽気なイメージ通り、テンションを上げて楽しく吹いた。まさに(ブルームーンの言葉が持つ意味合いの)『奇跡』を体感する夢のような舞台だった」と振り返る。

 ジーハファーさんは演奏会を終え、「中学生のみなさんとはたった数日だったが、すばらしい傾聴力と表現力で、すさまじい成長を見せてくれた」とコメント。雲雀さんは「言葉は違っても、音楽は世界共通で伝わることを改めて実感した」と話した。(滝沢隆史)

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