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ドイツ総選挙から一夜明けた2025年2月24日、ベルリンで記者会見する中道右派「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」を率いるメルツCDU党首(手前)=ロイター

 ドイツ総選挙で第1党になった中道右派「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」を率い、次期首相が有力視されるメルツ氏は24日の記者会見で「欧州が極めて迅速に自分たちの防衛能力を築かないといけないのは明らかだ」と述べ、防衛力強化を呼びかけた。ショルツ首相の中道左派「社会民主党(SPD)」と連立交渉を進め、防衛について優先的に協議する考えを示した。

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 メルツ氏は、ロシアの侵攻を受けるウクライナの停戦交渉の開始でトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が合意したことを受け、欧州として早急な対応が必要だと強調。会見では「欧州諸国やウクライナの頭越しに、ロシアと合意を結ぼうとしていることを非常に懸念している」とも語った。

 連立協議では外交・防衛に加え、移民問題、経済の三つが主要なテーマだとした。排外主義的な主張を掲げる右翼「ドイツのための選択肢(AfD)」が初の第2党になったことについて、メルツ氏は「ドイツの民主的な中道政党に共通の解決策を見いだすようにという最後の警告だ」と述べ、SPDとの早期合意の必要性を強調した。

 ただ、両者の政策には移民やエネルギー、財政などをめぐって相違点もあり、交渉は難航する可能性もある。

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