【動画】引退するドクターイエローT4編成の走行風景=取材班撮影
東海道・山陽新幹線の点検車両「ドクターイエロー」のうち、JR東海が所有するT4編成が29日、最後の検測走行を終え、東京駅に到着した。四半世紀にわたって新幹線の安全を守り続け「新幹線のお医者さん」の役目を果たした車両は6月ごろから、「リニア・鉄道館」(名古屋市)に展示される予定だ。
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この日午前に博多駅を出発したT4は、架線や線路の状態をチェックしながら上り線を走行。午後6時前、多くの鉄道ファンが待ち受ける東京駅16番線ホームに黄色い車体を滑り込ませた。
「ありがとう」「ごくろうさま」といった声に包まれながら、約10分後、大井車両基地に向けてホームを後にした。両親と弟と一緒に川崎市から来た福島颯君(6)は「見られてうれしかった。ありがとうって言いたい」と話した。
2月以降は、JR西日本が所有するT5編成だけで東京―博多間の検測走行を続ける。2027年以降をめどとするT5引退後は、主力車両「N700S」に検測機器を搭載し、営業走行しながら検測する方法に切り替える計画だ。
ドクターイエローはほぼ10日に1回のペースで東京―博多間を検測走行している。通常はダイヤ非公開で「見ると幸せになる」と言われるほどの人気者だが、老朽化を理由に01年登場のT4、05年登場のT5とも引退することになった。