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四万十川の堤防で防災植物を探す参加者ら=2025年6月14日午後2時0分、高知県四万十市不破、原篤司撮影
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 災害時に食べることができる身近に生えた野草を「防災植物」と名づけ、その活用を呼びかける「日本防災植物協会」(高知県四万十市)がこの夏、発足10年を迎えた。非常時に深刻な食料不足が心配される都市部にも活動が広がっている。

 「これはノビルのムカゴ。ニンニクみたいな味がしますね」

 「この葉っぱはブタナで、欧州ではサラダによく使われます」

 6月中旬に四万十市の四万十川堤防付近で開かれた協会の「初夏の野草を楽しもう」と題した防災植物教室。家族連れなど約30人が堤防を歩き、講師役を務める協会事務局長の斉藤香織さん(51)や石川慎吾理事長(高知大名誉教授)から、道ばたの野草の説明を聞いたり、「味見」をしたりした。

 その後、屋内であった講義では、斉藤さんらがカキドオシやシロツメクサ、イヌビユといった十数種の食べられる植物を紹介。「避難生活が続くと野菜不足で栄養バランスが偏り、体調を崩すケースが多い。それを身近な草で補うのが目的」と説明した。青くさかったり、えぐみがあったりするものもあるが、命をつなぐために食べ慣れ、備えてもらおうというのだ。

カルシウムやビタミンも含有

 斉藤さんが高知大の研究者ら…

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