雑誌を袋に入れる男性(右)。勤務経験の長い女性がやり方を教えていた=2024年8月9日午前11時50分、東京都、寺島笑花撮影

 高齢者の増加と、働き手の不足――。そんな課題の解決をめざした「仕事の場」がある。業務委託の形のため、ノルマはないが、労働基準法に基づく保護が原則及ばないというリスクもある。高齢者の働く場をどうつくるか、模索が続く。

 東京23区の商店街の一角で、数十人の男女が雑誌の包装作業をしていた。週2回働く男性(91)は昨年、がんの手術をした。「リハビリのためです。いろんな人と会えるのも楽しい」

 近くに住む女性(52)は、娘が中学生になったタイミングで働き始めた。「気軽に来られるし、みなさんとの関わりが楽しくて」。仕事の前後でおしゃべりに花を咲かせたり、自家製の野菜をもらったりすることも多いという。

雇用契約は結ばず、業務委託の形

 こうした仕事は、2020年…

共有
Exit mobile version