ナイジェリアの災害当局は31日、中西部モクワで起きた洪水で、少なくとも151人が死亡し、3千人以上が避難していると明らかにした。主要紙「ガーディアン」が伝えた。洪水は集中豪雨によるもので、28日夜から翌29日朝にかけて発生したという。
災害当局は声明で、「前例のない洪水で多くの命が奪われ、家屋が破壊された」と説明。救助隊や軍、ボランティアなどが捜索活動にあたっているとした。ティヌブ大統領は31日、声明で「誰ひとり取り残されることのないよう尽力する」と述べた。
ナイジェリアは本格的な雨期にさしかかったばかりだ。「ガーディアン」によると、災害当局は事前に28~30日に国内で広く洪水が発生する恐れがあると発表していた。過去数十年で最悪の洪水被害に見舞われた2024年には、年間で1200人以上が死亡し、120万人が避難を強いられたという。
ナイジェリアを含む西アフリカでは近年、大雨による洪水被害が相次いでいる。人口増加により住宅地が水路沿いまで拡大する一方で、不法投棄で排水溝が詰まったり、排水設備の機能が不十分だったりする場合も多い。洪水が起きると、汚水が流れ出し、感染症が広がるリスクもある。