水曜日、首相官邸で曽我ひとみ氏と話す岸田文雄首相(中央)。
2023年7月6日 15時13分(日本時間)
岸田文雄首相は、1970年代に北朝鮮に拉致された女性との会談で、歴史的な日本人拉致問題を巡り北朝鮮と交渉する意向を表明した。
岸田氏は水曜日、東京の首相官邸で曽我ひとみ氏に対し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との高官会談を早期に開催したいと語った。
しかし、拉致被害者やその近親者は高齢化しており、会談が実現するかどうかはまだ分からない。
曽我さんと母親の三好さんは1978年8月に拉致された。三好さんの行方は分かっていない。
「母はもうすぐ91歳になります。母の今後の様子を考えれば考えるほど、圧倒されてしまいます」と64歳の曽我さんは語った。
岸田氏には、近い将来の日朝首脳会談の開催や拉致被害者の早期救出、拉致問題の風化防止などを求める書簡を手渡した。
岸田氏は「拉致は一刻を争う人権問題であり、無視することはできない。 私が率先してこの問題に取り組まなければなりません。」
2014年に日本政府と北朝鮮が署名したストックホルム合意の中で、北朝鮮は、北朝鮮に拉致された可能性のあるすべての日本人について包括的な調査を行うことを約束した。
しかし、2016年に北朝鮮が一方的に調査終了を発表したことで交渉は行き詰まった。
岸田氏は今年5月27日、事態打開に向け「ハイレベル協議」の開催を提案した。 北朝鮮外務省の次官は5月29日、「日本が新たな決意を持ち、関係改善の道を模索しているのであれば、会わない理由はない」との声明を発表した。
北朝鮮にとっては異例の素早い対応だったが、声明は拉致問題は解決したという北朝鮮の主張を蒸し返すものでもあった。 これは、すべての拉致被害者の早期帰国を求める北朝鮮と日本の立場の間に依然として溝が残っていることを示している。
日本政府高官は水面下での北朝鮮との接触について「外交的な積み上げはなかった」と述べた。
新型コロナウイルスの感染拡大で中朝国境は依然として閉鎖されており、直接接触する機会は限られている。
外務省は6月、北朝鮮が過去に参加したモンゴルでの国際会議に職員を派遣したが、北朝鮮は参加しなかった。
北朝鮮の主な優先事項は、核・ミサイル計画を通じて米国に対する抑止力を確保することだと考えられている。
拉致、核・ミサイル問題の包括的解決に取り組む日本と北朝鮮がどこまで真剣に対話するかは未知数だ。
一部の日本の外務省当局者は、北朝鮮が東京を揺るがし、防衛協力を急速に強化している日米韓の結束を乱す目的で対話の可能性をほのめかしているのではないかと考えている。北朝鮮のミサイル。