昨年8月10日、東京の首相官邸で会談する岸田文雄首相(最前線中央)と内閣改造後の閣僚ら。
2023年7月7日 15時44分(日本時間)
政府・党関係者によると、岸田文雄首相は9月前半にも自民党内で内閣改造と役員人事を検討している。
マイナンバーカードの問題などで岸田内閣の支持率は低下傾向にある。 首相は人員整理や首脳外交を進めるとともに、IDカードに対する国民の不安を払拭する措置を講じて政権への支持拡大を図りたいと伝えられている。
岸田首相が9月前半に集中するのは、8月末に行われる可能性が高い日米韓首脳会談や中旬に予定される国連総会に向けた海外訪問の予定と関係があるとみられる。情報筋によると、9月下旬か。
政府・自民党内では10月上旬に臨時国会を召集し、物価高対策などに向けた今年度補正予算案を提出する方向で動いている。 関係者によると、新たに任命された閣僚に国会準備に十分な時間を与えることもこの時期の理由だという。
現内閣は昨年8月10日に改造を経て発足し、党執行部も同日決定した。 総裁を除く自民党幹部の任期は党則で1年に制限されている。 ただし、党はこの任期を「おおむね1年」と解釈しており、党役員は他の人の任期満了に合わせて任命されることになる。
岸田首相は、先の通常国会を生き延びた現閣僚の安定性を重視した小規模な人事を行うか、女性や若手閣僚を任命して大幅な改革を行うか、難しい決断を迫られることになる。 マイナンバーカード問題で注目を集める河野太郎デジタル担当相を続投させるかが大きな焦点となる。
自民党内では続投に意欲を示している茂木敏充幹事長に注目が集まっている。
人事異動の時期については、内外情勢を踏まえて首相が最終判断するとされる。 新政権が発足して内閣支持率が大幅に上昇すれば、与党内で臨時国会での衆院解散を求める声が高まる可能性がある。