ネット上に保管した資産のデータや契約のアカウントといった「デジタル遺品」。自分が亡くなった後に遺族が困らないよう、デジタルの終活を考えてみませんか?

 デジタル遺品に関する相談は近年、目立ってきているという。

 全国の消費生活センターには、「故人が利用していたネット銀行の手続きをしたいが、画面ロックでスマホが開けず、契約先がわからない」「故人が契約したサブスクリプションの請求を止めたいが、IDとパスワードがわからない」といった相談が寄せられている。

 デジタル終活で何をすればいいのか。国民生活センターは、四つの対策をあげる。

 まず、万が一の際に家族がスマホやパソコンのロックを解除するパスワードを確認できるようにしておく。

 一つの方法としては、パスワードを紙に書き、簡単に見られないよう修正テープを重ね塗りしてから保管する。もしもの時は、硬貨などで修正テープ部分を削れば、パスワードが確認できる。

 二つ目は、契約中のサービスのIDとパスワードを整理しておくこと。保存管理のアプリもある。なお、IDとパスワードがわからない場合でも、国民生活センターによると「契約先事業者が特定できれば、遺族からの連絡で解約などに応じてもらえるケースが多い」という。

 三つ目に、死後に必要な情報を書き残すエンディングノートの活用。ここにネットの契約についても記す。法務省が公開するひな型もある(https://www.moj.go.jp/content/001395858.pdf)。

 自分が亡くなった後、スマホなどのアカウントにアクセスできる人を指名しておくサービスもある。アップルやグーグルなどが提供している。

 総務省の調査では、スマホでインターネットを利用する人は、20代から50代では約9割、60代で8割、70代でも半数を占める。同センターでは「デジタル遺品に関するトラブルは今後さらに身近になっていくだろう」とみている。(大村美香)

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