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 米国在住のノーベル物理学賞(2021年)受賞者、米プリンストン大上級研究員の真鍋淑郎さん(93)が帰国し、9月30日、母校の東京大を訪れた。東大で今後展示される予定の博士論文の草稿などを確認した。博士論文にとともに提出された参考論文がきっかけとなったという渡米の経緯を、真鍋さんが振り返った。

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ノーベル賞受賞業績を展示するコーナーを訪ねた真鍋淑郎さん=東京大

 真鍋さんは1949年に東大に入学、53年に大学院に進み地球物理学を専攻し、正野重方(しょうのしげかた)教授が率いる気象学教室で学んだ。

 当時の研究者は、経験に基づく天気予報を物理法則に基づく数値予報にしようと取り組んでいた。真鍋さんら大学院生も、先を行っていた米国の研究に刺激を受け、毎日、夜中まで研究に熱中していたという。

 「仲間に恵まれた。物理的な考え方にすぐれた同級生と議論して考えぬいたことが、米国に行ってからも非常に役立った」と振り返る。

 真鍋さんらがグループで取り…

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