イスラエルの商都テルアビブで2025年8月2日、パレスチナ自治区ガザでとらわれた人質の解放を求めるデモの参加者たち=ロイター

 パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスが極度にやせ細った拘束中のイスラエル人男性の映像を公開し、イスラエル市民に衝撃が広がっている。ハマスとしては、ガザで深刻化する食料危機が人質にも影響していると示すことで、イスラエル世論を揺さぶり、停戦に向けた交渉を有利に進める狙いがあるとみられる。

 2日に公開された映像では、コンクリートで囲まれた狭い場所で、体の骨が浮き出た男性が「食料が足りない」と訴え、イスラエルのネタニヤフ首相に対し、解放に向けた取り組みを求める様子が収められている。スコップで地面を掘りながら「自分が(衰弱死に備えて)入る墓を掘っている」と語る場面もあった。ハマスはSNSの投稿で「彼ら(人質)は私たちと同じものを食べている。占領政府(イスラエル)が彼らを飢えさせると決めた」と主張した。

 AFP通信によると、商都テルアビブでは2日、人質解放を求めるデモが数万人規模となった。ネタニヤフ氏は2日、声明で「ハマスの残虐さはとどまるところを知らない」と非難した。

イスラエルでは連日の抗議

 イスラエル国内では、ネタニ…

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