ガザ地区

 パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスは18日、仲介国のエジプトやカタールが提案したイスラエルとの新たな停戦案を受け入れたと発表した。60日間の戦闘停止などが含まれるとされ、ハマスが条件面で譲歩したとも伝えられているが、イスラエル側が合意するかは不透明だ。

 レバノンの衛星放送局アルマヤディーンがパレスチナ高官筋の情報として報じたところでは、停戦案には60日間の戦闘停止中、生存中とされるイスラエルの人質の半数にあたる10人とイスラエルが拘束するパレスチナ人を交換するほか、イスラエル軍のガザ北部と東部からの部分的撤退や、ガザへの支援物資の搬入を強化することなどが含まれるという。

 イスラエルメディアによると、ハマスは解放されるパレスチナ人の人数やイスラエル軍の撤退範囲などで譲歩を示した。アラブの外交筋は停戦合意への期待を示し、「ボールはイスラエル側に移った」と述べたという。

 ただ、イスラエル側の出方は見通せない。政府は人質の全員解放やハマスの武装解除、ガザの非武装化などを戦争終結の条件としており、ガザ北部の中心都市ガザ市制圧に向けて準備を進めるなどハマスへの圧力を強めている。ネタニヤフ政権で連立を組む極右政党党首のスモトリッチ財務相は18日、「最後まで戦い続け、人質全員を連れ戻さなければならない」とSNSに投稿。停戦に強く反対している。

 ネタニヤフ首相は18日、「ハマスは甚大な圧力にさらされている」と述べ、強硬路線による「成果」を強調した。合意への賛否は示しておらず、今後の発言に注目が集まっている。

共有
Exit mobile version