ハリス米副大統領(59)がトランプ前大統領(78)と初めて臨んだ10日の討論会は、ハリス陣営の支持拡大につながる新たな機運をもたらした。ただ、論戦はトランプ氏への批判が大半を占め、「新顔」のハリス氏の政策や政治的信条が十分に明確になったとは言えない。選挙結果の決め手となる中道寄りの有権者らの投票行動にどこまで結びつくのか、見定めがたい面もある。
ハリス氏の立候補表明からわずか7週間。ハリス氏は、エネルギーや移民政策で立場を変遷させているとトランプ氏の陣営から繰り返し攻撃されてきたが、立候補表明以降、記者会見を一度も開いていない。通常なら新顔が経験する党の予備選も経ておらず、大統領候補としての資質や政策が厳しく吟味されてきたとは言えない。
今回の討論会はそのハリス氏について、有権者が知る貴重な機会になることが期待されていた。ハリス氏にとっても、無党派層への支持拡大に向け「価値観や世界観を広く紹介する場」(ハリス陣営のガルシア米下院議員)となるはずだった。
識者「安全保障や経済で何に取り組むか紹介すべき」
バージニア工科大のカレン・…