バブル崩壊から三十数年、世界経済の中で日本の埋没傾向が続いている中、東京はいくつもの再開発が進み、めまぐるしく姿を変えている。フランス人の地理学者で、長く東京の都市計画を専門とし、世界の都市計画や開発プロジェクトにも関わるラファエル・ランギヨン=オセルさんにその背景を聞いた。
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私はフランス南西部の田園地帯の出身です。そのためか大都市にひかれるのですが、東京は魅力的で成熟したグローバル都市です。
都市研究の専門家として、丸の内、六本木、日本橋、渋谷などの再開発プロジェクトや昭和からの商店街の関係者に聞き取りを行い、東京の再開発について博士論文を執筆しました。
スイスやフランスの大学での教育・研究の後、2021年からフランス外務省の一員である国立日本研究所の研究員として東京に4年間駐在しました。
バブル崩壊後、日本経済は低迷が続きましたが、東京はバブル崩壊前より競争力のある都市となっています。なぜ、何十年も経済が停滞しているのに、東京はめざましい再開発が進んでいるのでしょう。それには政治・経済の世界的、歴史的な流れが大きく影響していると思います。
バブル経済期には地価が上が…