パキスタン西部バルチスタン州で武装勢力が丸1日以上にわたり、旅客列車を乗っ取った事件で、パキスタン軍は12日、武装勢力側の33人を殺害して「制圧した」と発表した。
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事件は11日、同州中部のトンネル付近で発生。武装集団が線路を爆破し、機関車を銃撃した。同州の独立を目指す反政府武装勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出した。
列車には400人程度の乗客がおり、軍によると、乗客の大半は救助したが、21人が死亡、治安部隊の4人も死亡したという。一方、BLAは12日の声明で「乗客の中にいた軍兵士ら100人以上を殺害し、さらに150人を拘束している」などと主張した。
地元テレビGeoによると、軍当局は「(BLAが)女性や子供を含む乗客を人間の盾に使った」と指摘。乗客の間に自爆要員を配置したが、軍の狙撃手が排除したと説明した。軍はドローンで上空から撮影したとみられる映像を公開。荒野の真ん中で停止した列車から、乗客とみられる人たちが走って逃げる様子が映っている。