パキスタン西部バルチスタン州で11日、走行中の旅客列車を武装集団が襲撃した。治安当局によると、列車を停止させ、乗客を人質に取り、運転士や乗客が負傷しているという。同州の分離独立を目指す反政府武装勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出した。
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襲撃されたのは、州都クエッタから北西部ペシャワルへ向かう急行列車。地元テレビGeoによると、400人以上の乗客がいた。BLAは線路を爆破し、機関車を銃撃。列車に乗っていた治安部隊と銃撃戦の末、同州中部のムシュカフ付近の山間部のトンネルで列車を止めたという。
BLAは声明で、ヘリコプターなどで攻撃してくる軍を撃退し、列車を手中に収めたと主張した。女性や子供、地元のバルチ人を避難させる一方、交戦で軍兵士ら30人を殺害し、乗客だった兵士や警察官ら214人を人質に取ったとし、政府側に拘束されているバルチ人の政治犯らとの交換を要求した。
パキスタンは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の重点国で、同州では港湾や道路などの大規模開発が続く。BLAはこうした開発事業を「侵略」ととらえ、パキスタン政府や軍、中国人を標的にした攻撃を繰り返している。昨年11月には、州都クエッタの鉄道駅のホームで爆発があり、24人が死亡。BLAが犯行声明を出していた。